知のB1ブックダービーに出馬してみての感想
ちょうど2年前から更新していなかったブログを思いだした。
今感じていることは今しか書けない、そんな切迫感をもって書いている。
今日は令和哲学カフェ特別企画、知のB1ブックダービーにパネラーとして参加させてもらった。「この時代に必要な情報知識技術が詰まった本」を馬とみたてて、パネラーが紹介する番組だ。
好きな本を紹介する、表現してみたい。
自身のなさよりその思いが勝った。
そんな中出会ったのが、宇佐美りん著「推し、燃ゆ」。
推しに人生を懸ける女子高生の物語。
本を読むというより、人と深く出会っている感覚になった。
それくらい生々しく、繊細に主人公の痛みや絶望、熱量が伝わってくる。
肉体の重さと魂の軽さ。
魂そのもので生きることができない閉塞感が漂う社会の中で、
推しを推すことが主人公が自分自身を解き放てる唯一の方法だった。
たとえそれを冷ややかな目で見られようと。
でもそこに留まることができない現実が展開していく。
そんな中、主人公が選んだ道とは。
本の随所に散らばる現代的な感性と、その裏側を構成する普遍的な何か。
今の私の中では「何か」としか表現のしようがない。
あと100回くらい読まないとまとまりそうにない。
そんな魅力的な小説。
30代以上の大人にぜひ読んでほしい。
推しのいない人にぜひ読んでほしい。
推しという言葉はここ10年くらいで使われ始めたらしいけど、
好きというニュアンスとそれを共有したいというニュアンスが含まれるらしい。
ただ好きなだけじゃなくて、その魅力を共有したいというところが今の時代を象徴しているように感じた。
今日は東京オリンピックの閉会式でもある。
日本にとって大きなチャレンジお疲れ様でした。
ここからがスタート、おわりは始まり。